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テッド・ターナー

ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS)のオーナーであるテッド・ターナー会長は、メディア業界の風雲児だった。米国の3大テレビネットワークに対抗して、ニュース専門局のCNNを創業した。CNNは世界初のニュース専門チャンネルとして成長した。CNNを核に「第4のネットワーク」を築いた。ケーブルテレビ(有線テレビ、CATV)の普及が追い風となった。

米TBSの株式を売却

ターナー氏は、米TBSの株式をタイム・ワーナー(現ワーナーメディア)に売却した。タイム・ワーナーの副会長として、TBSとタイム・ワーナーの両社の放送事業全体を統括することになった。

M&A発表会見では、「タイム・ワーナーをパートナーとすることがTBSの資産の有効活用に最も適した戦略になる」と述べたが、「より大きくなることが私の夢だ」という日ごろのせりふを繰り返した。

ジェラルド・レビン氏との力関係

タイム・ワーナー(現ワーナーメディア)会長のジェラルド・レビン氏との力関係がどうなるか注目された。ターナー氏が目指したのは「テレビの帝王」。タイム・ワーナーの映画も、CNNのニュースと並ぶテレビメディアのコンテンツ(情報の内容)ということになる。

映画、雑誌からケーブルテレビへ

レビン氏には、映画、雑誌といった旧型メディアからケーブルテレビ(CATV)などより新しいメディアへの総合的な展開の発想があったようだ。「相乗効果」への期待も強いようだ。


3位バイアコム、4位はソニー、FOX

メディア業界第3位のバイアコム(年商101億ドル)、4位グループのソニーやFOX(旧:豪州ニューズ・コーポレーション)などは、売上高150億ドルを超すタイム・ワーナーやディズニーに大きく水をあけられた。

このうち、バイアコムの事業はパラマウント映画や音楽専門テレビチャンネルのMTVなどコンテンツ(情報の内容)に集中していた。

ディストリビューション(配信)部門

CATV局やネットワーク局など「ディストリビューション(配信)部門」を持つタイムワーナーとディズニーの優位性は際立った。2強のダイナミックな動きは、競合企業の危機意識を刺激した。

ケーブルテレビの王座ジョン・マローン

再編の次の主役として注目されたのはケーブルテレビ(CATV)最大手テレ・コミュニケーションズ(TCI)の動きだった。TCIはTBSの大株主で、タイム・ワーナーのTBS買収によりタイム・ワーナー株の8%を保有することになった。

TCIのジョン・マローン社長は戦略家として知られていた。タイム・ワーナー株の10%を握り筆頭株主となるテッド・ターナーTBS会長とは盟友関係にあった。(長井

動画

ニューヨークの中心部にあるタイムワーナーの本社ビルの動画です。